2016-01-01から1年間の記事一覧

回顧・2016年 読んだ本 附 読んだ漫画

過去の分は回顧・2014 読んだ本 附 読んだ漫画 - 書房日記と回顧・2015 読んだ本 附 読んだ漫画 - 書房日記。 しかし2年前はこれでも多少は読んでいたんだなあと感じてしまうし、過去2年と比べても更に数が減ったことは否めず、更に途中からほとんど個別記事…

2016年の回顧

駆け足で振り返ると、はてなブックマーク別館 稲田朋美防衛大臣の就任会見に関する質問 - 書房日記がはてなブックマークでは今年最大の反響で、貧困女子高校生報道を巡る問題についてのはてなブックマーク別館 自称愛国似非保守の言論における誤認と無責任さ…

日本将棋連盟の不正疑惑対応とその不当性について

過去3度の記事でも延々書いてきたことであるが、この事件は動きがあればある程、予想を上回る事態が起こり、全く閉口したくなる憂鬱な気分で記事を書くことになる。既に3度の記事で提示した視点を再提示するものに過ぎないが、今この時点で改めて書きたいと…

第6期積読本順位戦

第6期積読本順位戦A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社 1 家永三郎『太平洋戦争』岩波現代文庫2 『丸山眞男集』第3巻 岩波書店3 市村弘正『小さなものの諸形態』平凡社ライブラリー4 阿部謹也『北の街にて』講…

第5期積読本順位戦

第5期積読本順位戦A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 前川恒雄『移動図書館ひまわり号』夏葉社 1 家永三郎『太平洋戦争』岩波現代文庫2 『丸山眞男集』第3巻 岩波書店3 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社4 阿部謹也『北の街にて』講談社5 齋藤…

恐るべき三笠宮

ぼけっと小西四郎・遠山茂樹編『服部之總・人と学問』日本経済評論社、1988年を眺めていたら、没後30年集会で今年亡くなった三笠宮が日本近代史研究会とのかかわりや服部之総との付き合いを振り返った発言の中で、 私なんか立場上非常に冷たいお付き合いが多い…

第4期積読本順位戦

単なる積読本を何となく並べて、将棋の順位戦風にしてみただけのリスト。現実の順位戦は何とも歯がゆい事態になっているけれど… A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 桜井英治『贈与の歴史学』中公新書 1 前川恒雄『移動図書館ひまわり号』夏…

加藤寛治日記と1929年の美保関滞在について

早いもので1年が過ぎてしまったけれど、DG-Lawさんが松江市美保関の旅館で発見された、加藤寛治の1929年の美保関滞在について (http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52299815.html)。「しかし,加藤寛治ってひょっとして美保関事件の時の滞在なのでは………

『君の名は。』(2016年)の鉄道描写 或いは二度見のすすめ

以前書いた『君の名は。』の記事(http://d.hatena.ne.jp/shigak19/20160904/1472915838)で、推測扱いだった鉄道描写について確認する為に、『君の名は。』のロードショーに再度行ってきた。結論から言うと1回目で見逃したり推測を誤ったりした点が多々あった…

三度日本将棋連盟と不正疑惑について

前回以降の動きとしては、(1)渡辺明二冠による『週刊文春』のインタビュー等により、渡辺二冠が告発者の一人であることが明かされると共に、日本将棋連盟常務会は羽生善治三冠、佐藤天彦名人、棋士会長の佐藤康光九段らを集めた会合を開き疑惑について検討を…

日本将棋連盟の不正疑惑への対応と棋士処分について

三浦弘行九段に対する処分と疑惑の公表から2日経ったが、事態は終息に向かうどころかなお混迷の度合いを増しているようにさえ見える。橋本崇載八段はツイッターで、ソフト使用の不正、ソフト指しがあったと断言したものの、やはり決定的な証拠が提示された訳…

竜王戦挑戦者出場停止事件

10月12日夕刻、まず三浦弘行九段の12月末までの出場停止処分と丸山忠久九段が代わって挑戦者として竜王戦に出場する旨の第一報の記事が発信され、同日夜間には日本将棋連盟常務理事の島朗九段による会見での説明が詳報された。 報道されている範囲で島常務理…

第3期積読本順位戦

単なる積読本を何となく並べて、将棋の順位戦風にしてみただけのリスト。 A級 挑戦1冊、降級2冊(前期のみA級10人化の為降級1)挑戦中 村井吉敬『エビと日本人』岩波新書新赤版1 前川恒雄『移動図書館ひまわり号』夏葉社2 桜井英治『贈与の歴史学』中公新書3…

貧困報道への言論に関する論点について はてなブックマーク別館

はてなブックマーク別館 自称愛国似非保守の言論における誤認と無責任さについて - 書房日記の続き。その後の情勢としては、ネット上での言論に大きな変化はない。というよりも、NHK報道・女子高生批判派特に似非保守系言論には、主張に何らの変化が無い、と…

『君の名は。』(2016年)

『君の名は。』2016年 積極的に映画館で観ることを奨める、というよりは「映画館という映画に専念出来る空間で2時間かけて一気に観てしまう方が鑑賞しやすい」という消極的な理由になってしまうけれど、現代日本におけるアニメ作品に一定の関心を有している…

第2期積読本順位戦

単なる積読本を何となく並べて、将棋の順位戦風にしてみただけのリスト。 A級 挑戦1冊、降級2冊1 村井吉敬『エビと日本人』岩波新書新赤版 2 桜井英治『贈与の歴史学』中公新書 3 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社 4 阿部謹也『北の街にて』講談社 5 齋藤純一『…

はてなブックマーク別館 自称愛国似非保守の言論における誤認と無責任さについて

ことの発端は、NHKのこちらの報道だった。はてなブックマーク - 子どもの貧困 学生たちみずからが現状訴える | NHKニュースしかし、「本人とされるtwitter」に基づいて、「報道された女子高生が貧困ではない」「NHKの捏造である」等々の言説が『保守速報』な…

積読本順位戦

単なる積読本を何となく並べて、将棋の順位戦風にしてみただけのリスト。読書中 松本清張『ゼロの焦点』カッパノベルズ A級 挑戦1冊、降級2冊1 齋藤純一『政治と複数性』岩波書店 2 桜井英治『贈与の歴史学』中公新書 3 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社 4 阿部…

『シン・ゴジラ』(2016年)

『シン・ゴジラ』(2016年) 特撮、あるいは庵野秀明という人について少しでも知っている人は、観て損はないと明言出来ますし、こういう作品は映画館で何も知らずに観るのが面白いだろうと思いますので、以下はいわゆるネタバレばかりですから、御覧になって…

『植物図鑑』(2016年)

『植物図鑑』(2016年) 映画館で観たい洋画がなくて、偶々チラシで高畑充希主演なのを知っていた程度で観た作品。余談ながら、ハイクでも書きましたが、映画の宣伝で高畑を出演させたバラエティ番組に、やはりゲストで石原慎太郎を出演させた日本テレビは何…

はてなブックマーク別館 稲田朋美防衛大臣の就任会見に関する質問

稲田朋美防衛大臣の8月4日午後の就任会見については、各種媒体で報道も為されているし、防衛省側でも会見の文字起こしを防衛省・自衛隊:防衛大臣臨時記者会見 平成28年8月4日(17時14分~17時42分)として公開している。 既に稲田朋美防衛大臣が、誤解を払…

F・W・クロフツ『樽』

F・W・クロフツ 大久保康雄訳『樽』創元推理文庫、1965年個人的には「名探偵の推理」に頼り過ぎない、取り立てて社会と隔絶した場も設定されずに捜査過程を淡々と追っていく作風は結構好きで、第一次世界大戦前のロンドン・パリに跨る捜査行も面白かったと思う…

映画メモ 2016.03-0.6

『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』(2014年) 『マリー・ゴールドホテル 幸せへの第二章』(2015年) 『愛しき人生の作り方』(2015年) 『植物図鑑』(2016年) 『耳をすませば』(1995年) その内書くかも

上地隆蔵『新手への挑戦 佐藤康光小伝』

上地隆蔵『新手への挑戦 佐藤康光小伝』NHK出版、2009年 団鬼六編『将棋 日本の名随筆 別巻8』作品社、1991年と後藤元気編『将棋エッセイコレクション』ちくま文庫、2014年という2つの将棋随筆選集を手に取ると、前者は主に大山升田や中原米長までの世代を中…

菅谷明子『未来をつくる図書館』

菅谷明子『未来をつくる図書館』岩波新書、2003年 ジャーナリストである著者が、図書館司書でも図書館学の研究者でもなく一人の利用者として、ニューヨークの図書館で受けた新鮮な印象を大きな原点として編み出されている。 著者の経験を踏まえた、ニューヨ…

岡部ださく『世界の駄っ作機』

岡部ださく『世界の駄っ作機』大日本絵画、1999年 筆名岡部ださく、こと岡部いさくによる「世界の駄っ作機」シリーズの初巻。 しかしプラモデルさえろくにない機体の紹介をシリーズ化したモデルグラフィックス誌も大したものと言うか、初期の読者から実在し…

大塚信一『理想の出版を求めて 一編集者の回想 1963-2003』

大塚信一『理想の出版を求めて 一編集者の回想 1963-2003』トランスビュー、2006年 岩波現代文庫や、現代文庫に再録されている物も多い同時代ライブラリーのラインナップを眺めていて、何となく「岩波らしくない」本を見かけることがある。著者は古典教養主…

映画メモ 2015.12-2016.02

・『007 スペクター』 最近結構過去の作品の要素を詰め込んでいるなあ、とは思うところ。 2作連続で最後が英国本土、それもロンドンというのはこれまた実は異色なのでは。 敵が強いんだか間抜けなんだか…『ロシアより愛をこめて』の頃が一番強そうだった、と…

岡部ださく『世界の駄っ作機』2

岡部ださく『世界の駄っ作機』2 大日本絵画、2000年 岡部いさくについては、本や雑誌といった読書界隈よりも、最近ではウェブ界隈でのミリタリーやアニメに関連した領域における方が名前が通っているかもしれないけれども、編集者出身の航空機ライターとして…

『平和をつくる原理 小田実全集 評論第5巻』

『平和をつくる原理 小田実全集 評論第5巻』講談社、2010年 初出は小田実『平和をつくる原理』講談社、1966年で、内容的には1969年に出版された新版が収録されている。もともとは雑誌や新聞等に掲載された文章を編んだもので、講談社版全集のソフトな印象の…