恐るべき三笠宮

ぼけっと小西四郎・遠山茂樹編『服部之總・人と学問』日本経済評論社、1988年を眺めていたら、没後30年集会で今年亡くなった三笠宮が日本近代史研究会とのかかわりや服部之総との付き合いを振り返った発言の中で、

私なんか立場上非常に冷たいお付き合いが多いのでございますけれども、それだけに服部先生、また周囲の方々とのお付き合いというのが、なんともいえない温かい楽しい思い出だった事を記憶しております(同書、111頁)


とまで語っていて、「赤い皇族」と揶揄されるだけのブラックユーモアだなあと感じたのだった。歴史研究者として紀元節批判を公表する程筋を通した三笠宮自身にとっては、これくらいの発言はむしろ自然だったのかもしれないけれど。