『天気の子』(2019年)

『天気の子』2019年

 

 鉄道と東京に興味がある人と、それから刑事ドラマとか推理小説とかも嫌いじゃない人は一度観てみましょう。それ程劇場で観る効果の大きい作品ではないかもしれませんけれど。

 以下はいわゆるネタバレです。

 

 さて御覧になって如何でしたでしょうか。いやあ、あの上野駅の特急「ゆうづる」発車前に主人公たちが受け取った手紙について話している時に、高杉刑事が出くわすあのシーンはなかなかでしたね。

 

 え、今はゆうづるは廃止されていてそんな西村京太郎『終着駅殺人事件』みたいな設定はありえないし、『特捜最前線』で西田敏行が演じていたのと同名の刑事は出ていないって?これが大嘘とお分かりの方は以下お読み下さい。例によって二重に警告しましたので、宜しく。

 

 個人的にはああ何か『特捜最前線』を連想するなあ、ってのは意外に大きな部分を占めているかもしれないのでまずこれを軸に書いてしまってから、東京とか鉄道とかについてつらつらと。

 

 最初意外にストレートに犯罪とかアウトローが描写されているのに驚いたんですが、あこれはむしろ結構昔の作品だったらこういう風だよな、と逆に納得していった感じで。

 主人公男が偶々拳銃を拾って犯罪行為に進んでいく、なんてもろに1970年代・1980年代の『特捜最前線』的な脚本だなあと。そういう作品は『特捜最前線』だと確か数作品在って、この主人公男のような家出ですらなくてホントの「善良な一市民」が雪だるま式にあれよあれよと拳銃強奪立てこもり犯になっていく作品なんかは印象的でした。

 舞台も新宿歌舞伎町で、その後も断続的に酒の世界、性風俗や性搾取の世界、ヤクザ的な世界などアウトローな領域が示されていった辺りもあの年代の刑事ドラマ風というか。例えば主人公女は一度は生活苦から性産業へ勧誘され、あと一歩で足を踏み入れるところまで行っていますし、もし何かあれば性搾取や性暴力の被害を受けていても何ら不思議のない設定なのは、『特捜最前線』でも結構たくさん性暴力や性搾取、そしてそれに無理解な社会・周囲による二重の疎外、といった問題を扱った事件の話が1ジャンルを形成していたのと続いてそうな軸かなと(この辺りが「分岐」や「エロゲー」といった視点でも論じられているのが何となく分かるところ)。

 

 もう1つ、主人公女たちが住んでいる田端のあの雰囲気が、『特捜最前線』が新宿の高層ビル群の一方で対比的に実に泥臭い、都電沿線や京成沿線や常磐線、京浜線などの敢えて言えば下層的な場を描いているのも何か共通性が有るなあと思ったところで。主人公男が住んだビルの地下といい、最後に主人公男が東京農工大に進学し小金井周辺に住むのとは対比的な場所ばかりだなあと。

 

 それから『特捜最前線』では結構街頭ロケのシーンが在って、今見ると通行人たちまで映っていて面白いのですが、もはや実写作品でこれだけの規模の東京でのロケが不可能になっている中で、東京の具体的な描写を入れていわば疑似的ロケをしているのは、アニメ作品ならではかつ昔の実写作品の要素が入っているとも言えそうな。

 

 もう1つは上京した若者、というこれも1ジャンルを為すぐらい『特捜最前線』では色々な話があって、やはり東京で何かと虐げられたり、あるいは上京した若者間で起こる悲劇という前述の『終着駅殺人事件』的な話があるのですが、性とか上京とか1970年代やそれ以前まで遡れそうな意外に古典的な都市社会の問題軸を扱っている点が両作品を連想するところですし、その相違点がまたいわゆるセカイ系論につながっていくのかなあと。

 

 まあ『特捜最前線』に引き寄せ過ぎな書きぶりな訳ではあるのですが。というのも『特捜最前線』的な編集を加えたら、女性陣はまず性暴力か覚醒剤の被害を受けるでしょうし、男性陣は大体死んで、最後は登場人物大方死んでからあの夕陽のエンディングに入っているでしょうから。この作品、ラストではどうも皆刑事処分を終えてからも、進学も企業経営も出来過ぎなぐらい成功しちゃってるようですし。

 

 その点に関連して言うと、犯罪描写やアウトローの描写が在る割には、ある意味極めて健全な、警察の非行防止の広報のような一種の抑制が効いている気はしてしまいます、言う程狂った世界とその被害者を描いてはいないじゃん、と言いますか、家出の原因は敢えて語られていないように、「息苦しさ」の背景は問われませんし、アウトローの社会に近づかなければそれで被害が防止される、というのはアウトローが生じるまさに狂いの原因には視線が及んでいないところはあるのではと。

 

 さてもう1点この後の話に結び付けて書くと、『特捜最前線』的な設定だったら、例えば途中で主人公女が消えた時に主人公男は警察や社会に対してその恨みや理想から復讐しそうなところですし、『特捜最前線』では左翼集団やテロリスト等の社会へのある種の思想や背景をもった、思想と集団が背景になった事件の話がこれも1ジャンルある訳ですが、この作品ではそういった展開にはならないのだなあと。

 

 世代とか集団とか社会とか政治とかが、恐らく相違点の構成要素になるのではと。

 老人や子どもが出てくる一方での親世代の不在というのは今回も特徴的です。それから主人公2人の出会いで見落としがちですが、若者が世代とか集団としては登場しないのも、『言の葉の庭』とか『君の名は。』で同級生たちがまさに集団として描写されていたのとは対照的なような。凪センパイが小学生だけれど同世代との関係が恋人とか元カノとかの、まさに大人同士の疑似関係だったのはその意味ではなかなか面白いところで。学校という社会集団とも無縁で、糸守町のような地域社会の集団も出てこない。夏美も就活め企業め、と思いながらも何だかんだ個人と家族が軸の御方で同世代との横の関係が見えない。

 

 最終的に、天気を巡って暗黙のうちに人柱を欲する集団意志は、個人の次は一気に全世界まで飛んじゃって、階層的な集団構造は恐らく存在しないし、そこには政治もそれと結びついた社会思想も多分ないのかなあと。

 『シン・ゴジラ』とそれが背景とした『帰ってきたウルトラマン』では、怪獣を倒すために東京と都民を犠牲にするか否か、という選択を巡る思想と政治勢力の対立が在った訳ですが、この作品では天気と東京をどうするか、という政治はない。『シン・ゴジラ』の国会前で賛否両論のデモ隊が居た、というような場面は東京が水没してからでも存在しないという。『君の名は。』で宮水父が町長として最終的には三葉に頼った避難指示を出させた、というのは今振り返ると、てっしーが多分に陰謀論的ながら建設業と地域政治の構造を語っていたのと合わせて、なかなかに政治的だった訳だなあと。

 この作品の東京という世界には政治思想も政治集団もない、というのはかつて革新自治体として東京が一国史とは一線を画した政治史を有し、東京をどうするかという構想を巡って地域政治が展開されてきた都市史を振り返る時、東京を扱った作品としてこの映画が結構歴史的な意味を有する点かなあ、などと。

 それから『君の名は。』の隕石に続いて、今回の雲も別に敵集団でも無い、ゴジラのように明らかに人間集団の外側にある存在でもないのもまた社会とか集団とか政治の不在だなあと。

 この作品結構映画版『風の谷のナウシカ』を連想せずにはいられないのですが(服の入れ替わりによる脱出の場面は、作っている側も絶対念頭にあったような気がする)風の谷とトルメキアとペジテといった集団みたいな要素や、人間側と腐海王蟲側との関係みたいな領域がないのがこの作品の特色でしょうか(というよりもセカイ系ってそういうものなのでしょうか)。

 警察が出て来てもパトレイバー的な裏事情とか、暗闇機関的な超法規的存在とかは全然出てきませんし。というか『踊る大捜査線』的に言えば拳銃所持の逃走犯なのに最後まで所轄署の刑事たちに任せているのかね、というやや不自然なぐらい純粋な刑事警察描写ですわな。

 

 以下、細部関連。

 倍賞千恵子が東京という町の歴史を語る老女というのは、東京で都電の運転士の子として生まれ『下町の太陽』や『男はつらいよ』シリーズなどで下町の女性役を演じてきた彼女の経歴と思いの外合っていて、結構納得の起用。そういえば神木隆之介とは『ハウルの動く城』では疑似家族関係役だった訳だけれど、今回は祖母と孫役で再共演な訳か。

 

 鉄道描写については冒頭の電車の走行音から始まって、代々木の分岐点と田端の2か所、そして目白駅南方から新宿駅までの主人公男激走シーンと今回もなかなか。遂に『言の葉の庭』以来の中央総武線各駅停車が主役の座を失い今回は山手線内回りにスポットが当たったのは少々意外だったけれど。

 主人公たち3人の逃避行、池袋の山手線で足止めというのは一体田端からどこへ向かって出発した設定なんだろう。まあ運休続出の日だったので止む無く一旦内回りで池袋まで出たのだろうか。

 中央総武線緩行線といえば、『君の名は。』組が結構出てきたのに(四葉だけ見落としていたけれど)、『言の葉の庭』組が雨がミソの作品なのに再登場しなかったのはちょっと残念。視聴済み層の違いもあるのかもしれないけれど、カメオ出演としてはそれ程不自然でもないので入っていても良かったのでは。

 脚本的に上手かったのは凪関係全般。最後の登場シーンまで意表を突きつつ、結構色んな場面で話を動かしていった役回りだったなあと。派手なところもあるけれどクレバーで、帆高の東京農工大に対し慶應か一橋大辺りに行きそう。

 

そういえば『天空の城ラピュタ』のパズーとシータとの対比とかも思わないでもないですが、もう長すぎるのでこの辺りで。

 

『スケバン刑事』劇場版(1987年)

スケバン刑事』劇場版(1987年)

 

欠点もあるんだけれど、何だかんだで観てしまう作品。特撮映画であると同時に1980年代のアイドル映画という文脈も強く、演技がどうこう脚本がどうこう言い出すと色々言えてしまうのだけれど、やはり何だかんだ一見すると楽しい。という訳でまずは一度御覧あれ、ということで以下ネタバレ。

 

さて如何でしたでしょうか。いやー高田馬場駅前でロケした狙撃シーンが凄かったですねえ。…という記述が大嘘だと分かった方はどうぞ。二重に警告しましたので、一つ宜しく。

 

まず脚本・構成についてはもっと面白くなる要素が多かったような、という。

結局何で警察・国防省といった正規軍が動かないのか、暗闇指令(長門裕之)以下の機関も身動きが取れないのか、という説明が全く弱いという。当初暗闇指令が冷淡だったのは内偵段階だったということでともかく、敵側がヘリでの実力行使にまで出てきたのに動きが取れない理由が全く無い訳で。

そもそも主人公たち女子高生が戦う話だし、とか90分程度という尺が、予算の都合等々現実的な理由はまあ推測が付く訳ですが、そこを上手くカバーするのも構成のうちではなかろうかとは。

ベタですが、政界内の黒幕による妨害とか、正規軍側は地獄城の若者たちも見殺しにする強行制圧しか考えていなくてそれに先んじて救出作戦を行うとか、ヘリの襲撃で正規軍側と機関の指導部が壊滅するとか。

 

逆に三晃学園側の対応も矛盾しているというか、ヘリでの襲撃と本拠地での迎撃って戦略的には一貫性がないという。最初から本拠地に誘き寄せるでもなく、ヘリでの襲撃から本拠地潜入の間での別荘での宿泊時を狙うでもなく、まあ緩手ですね。

 

ヘリでの襲撃も結局単なる定点での攻防戦止まりで、爆破シーンの割に面白みがないというか、同じ東映でも『特捜最前線』のヘリ関連の話はシリーズの売り物だっただけあって、輸送とか車列の警護とかヘリならではの移動を活用した脚本も上手かったなあと。

 

バスのシーンもほとんどリアリティがなくて、鉄道とかでロケが出来たらもっと面白い逃走劇だったのかなあとは。

 

あとあんまり潜入物としての要素が無いので、これだとシリーズの基本要素である学生刑事であるスケバン刑事という設定の必然性も結局無いんじゃなかろうかと。しかし捕らえた時いきなり拷問というのも何だし、拷問までしておいてスケバン刑事が内閣機密調査室配下なのを後から知るってのももう一つ。

 

それから地獄城脱出の一番のキーがフェンスの高圧電流を落とすという設定になっているんですが、そもそも意図的に誘き出されたとはいえ主人公たちが5人も地下の水道から侵入しているんだから、多少時間が掛かろうが同じルートで全員脱出すればフェンス突破より楽なんじゃなかろうかという。

 

そういえば『スケバン刑事2』の(ある意味ぶっとんだ)物語の軸の1つである鉄仮面も、今回全然登場していないのと、初代の麻宮サキに関する言及も全然ないような(斉藤由貴主演の『スケバン刑事』では映画化まで至っていなかったので、この第2シリーズが最初の劇場版だったそう)。

 

 

逆に何だかんだ言いながら観てしまう要素は何だったかと言えば、まず主演が全盛期の南野陽子ということで、序盤の歩行者天国をピンク色のカーディガン姿で歩くいかにもアイドル映画なシーンから、終盤の服部学園長(伊武雅刀)との一騎討ちなどの特撮シーンまで、何だかんだ全編ザ・主人公という辺りがもうアイドルと呼ぶしかない。

中盤の合宿生活の場面での、もはやスケバン色ゼロではあるのだけれど、黄色のカーディガンにお下げというおよそ派手さ皆無の衣装と髪型でも様になっている辺りがいかにも全盛期(もともと初期の『週刊少年マガジン』のグラビアでもそんな感じだったか)。

 

助演陣では蟹江敬三の西脇、これが「蟹江敬三史上最高」(NHKラジオでの春日太一高橋源一郎鼎談)とまで言われた渋い良さが全開で、多分彼が出演していなかったらそもそも観ていなかったかもしれない。作中で台詞回しのレベルが明らかに違う。普通だったらより若手の男性アイドルが起用されてもおかしくない位置に良く彼を充てたものだと改めて思ったり。サキと西脇のシーンは回数も会話量もごく少ないのだけれど、その両者口数の少ない関係自体がいちいち良い描写になっている。

サキが西脇と神宮外苑聖徳記念絵画館前の通りで会う場面など、銀杏の並木道という辺りが『スケバン刑事』というよりはアイドルナンノという感じの雰囲気でこれまた良いのです。ちなみにロケ地としては他にこち亀で御馴染み勝鬨橋の側の、月島川の水門が出てきたりしたのは意外。

 

あとは「スケバン」という要素が薄らいだ感はあるけれど、相楽晴子のお京も出色。

拘束されたサキが廃人化に向けた注射を打たれそうになる絶体絶命の場面で、めぐみ(小林亜也子)が助けに来るのだが、ここで敵側の幹部を単に殴って気絶させるんではなくて、ナイフで突き刺して緊急避難とはいえ明らかに殺害してしまっているのが、思いのほかハードな描写で少し驚いた場面。

あとは牢の鍵が開いて開放されたのに、そのまま喜んで逃走しようとする生徒の方がむしろ少数派という辺りが脚本の工夫された意外な展開だった。

 

90分の本編で終盤の地獄城の攻防戦に45分もちゃんと確保しているのは構成で評価すべき点で、これによって一騎討ちなどのアクションシーンにじっくり時間を掛けることが出来、アクションシーンの質につながっている。

そしてこの終盤で、潜入する5人全員がわざわざサキと同じセーラー服を着ているのだが、何しろお京はどうももう通学していないようだし、雪乃も籍はともかく実質的には留学でこの制服はもう着ていない筈で同じセーラー服を着る必然性はゼロなのが、後のセーラー服戦士ものにつながる結構エポックメイキングな発想ではないかと言われている所以。もしもシリーズが続いていたら、スーパー戦隊プリキュアのように5人組のスケバン刑事という作品でも出来ていたのだろうか。

特撮としては爆破シーン、特に煙じゃなく炎自体の量はかなり多いのと、結構スタントでなく俳優自身の近くで爆発しているのが本格的だったり。

音楽では冒頭部とエンディングで2回主題歌の「楽園のdoor」が掛かるシーンがそれぞれ印象的。どちらも唐突に途切れちゃう感じは勿体ないけれど、萩田光雄編曲のイントロはさすが。

サキの土佐弁自体は別に写実的じゃないらしいのだけれど、「方言指導」のスタッフとして声優の渡部猛(レンネンカンプ提督だ)のクレジットが在ってへえとなったり。渡部さんは同じく高知県出身の島本須美スタジオジブリの『海がきこえる』でも方言を担当している。

 

 

雪の華(2019年)

雪の華』2019年

 

 1日に何か映画館で観る作品あるかなあ、おっこの作品はそういえば駐日フィンランド大使館さんが紹介していたなあ、フィンランドロケでどんな映像使っているんだろう、ということで観に行ったので、メモ。

 所謂余命1年のヒロインの恋愛物を楽しもうという視点はもともと全く無かったのですが、作中でも明示されていますけれど少女漫画的で、むしろ泣ける恋愛物というよりも喜劇的なファンタジー作品としてはツッコミ入れながら一見してみても良いかも。それからヘルシンキもその市電もフィンランドの鉄道もフィン・エアーも確かに映ってますので、フィンランドとかフィン・エアーのマニア各位は押さえておいて損はないかと。後は最後クレジットの協力団体に飯能市立図書館が入っていておおっとなったので、1カットですがその点に興味のある方もどうぞ。

 という訳で以下は所謂ネタバレ。

 

 如何でしたでしょうか、いやあフィン・エアーの機内での主人公達の食べていた機内食、美味しそうだったんですがまさかサルミアッキ付きとは思わなかったですね。

 

 …という記述が大嘘だと分かった方は以下どうぞ。二重に警告しましたんで、後は宜しく。

 

 またしても地味な眼鏡の女性→明るくなってコンタクトレンズ、という御馴染の展開ではありましたが、如何にもモデル体型でスラッとされてますなあと思っていたら中条あやみってホントにモデル出身の女優さんでした。

 しかし不運続きだったという前半生、病気で辞めた仕事が図書館のそれも非正規雇用っぽい職員というのがまた確かに有り得そうと納得もさせられるようなというところで、そこのカットは何だか世知辛い話題ですなあと幾分真顔になってしまったり。とはいえ、あんなに声が出せないという設定でカウンターやフロアワークが成り立つのか?というこれはこれで図書館職員像のステレオタイプの一端な気も。

 

 前半の東京篇がなかなか喜劇的でどちらかと言えば良かったなあと。男主人公の妹・弟なんかも結構いい感じで、映画でなくテレビドラマで1クールだったらこの辺りもっとじっくり観れてもっと面白そうな、という。もっともテレビだったらフィンランドロケは資金面で難しかったろうなあというところなのだろうけれど。

 

 フィンランド篇は作中の設定では観光とオーロラ観るのがメインで、主人公二人とも別にフィンランド語話す設定でもないのである意味ではそれをしっかり反映していると言えなくもないのだけれども、1人ぐらいフィンランド側にも登場人物が居たりしても良かったかもなあと。例えば終盤に登場するヒッチハイクの車のおじさんをもっとちゃんと描写するとか、田辺浩一演じる医師のような女主人公を見守る立場の人をフィンランド側にも1人ぐらい置いてみるとか。まあでも尺の都合もあるだろうし、中途半端にフィンランド社会を描写しようとするよりも潔かったのかもしれない。夏のヘルシンキの映像を観る機会自体がほとんどないので、そこは良かったなあと。

 フィン・エアーは機内撮影は難しかったのかなあというのと上映時間の枠はあるので、タイアップと聞いて予想したよりも描写自体は少なかったような。パスポートの中に挟み込まれたフィン・エアーの搭乗券をかざしてみせるのはまあいかにもで少し苦笑したけれど。

 ただタイアップしている割には寛容だなあと思ったのは、女主人公からフィンランド行きを提案された時の何だそれという反応が割合写実的だったところでそれは良かった。確かに「ハワイ行こう」とかではないから(もともと万事悪態をつきがちな男主人公なんだけれど)そこで「はあっ」という反応になる訳だけれど、そういう描写が残っているのをスポンサーとして認めるのはなかなか太っ腹だなあと。

 しかし女主人公の預金が図書館勤務にしちゃ多くないか、という以上にカフェ店員として妹・弟の親代わりしている男主人公が良くパスポート持っていたな、という急なフィンランド行きが可能だったというプロットに無粋な感想を有した当方。

 ヘルシンキ市電はなんかウィーンのを連想するなあとか、あの雪の中で電気機関車なのは考えたら昔の北陸本線寝台特急もそうか、とか航空より鉄道の描写の方が見応えがあったような。

 終盤はサスペンスタッチが余り緊迫しているようには思えなかったなあという点と、意外に最後の最後での曲とオーロラの盛り上がりがあっさりしているようなという点はまあこちらが恋愛映画としては観に行ってないからなあというところもあるのだけれど、どんなものでしょうねというところ。

 むしろラストでは、女主人公が男主人公の声を出せ、という出会いの時の励ましを思い出して大声で告白を叫んだら、それに応えて道に迷っていた男主人公が女主人公を発見する…という王道にてっきりなるのかなと思ったら、実は既に無事に到着していて、大声で叫ぶのを真後ろから聞いていてあっさり悪態をつくという、そこは脚本というか描写が良かったなあと。エンディングクレジットの後日談でも別離の寂しさは控えめで、そこも逆にファンタジー的でむしろ良かったようなと。

 感動の悲恋物要素よりも喜劇的なところとファンタジーの要素の方が何か良かったなあと感じたのは、後半の女主人公の母親との描写よりも終盤で男主人公の弟がケガしてたのに松葉杖振りかざして喜んでいる箇所の方が印象に残っていたりする点なんかにも表れていたような。

 あとは雪と言っても平原ではなく森なんだなあと、あの雪の森の中で昔戦争があったんだなあと『物語フィンランドの歴史』読者としては感じたところで。映画としてはいまいち雪を活かせてなかったようなというか、雪と映画といえば市川雷蔵主演『破戒』終盤の白黒の画面の中での雪は凄かったので、いつかもう1度観たいなあという余談。

 

 まあ『植物図鑑』を観て団地描写とか高畑充希の方をメインにした感想書いてる当方なんで、こんな感じでしょうか。

 いっそシベリウスをBGMにしたフィンランドロケ映画、というような企画でもあればまた何時か観てみたいものですが。

 

 

 

 

 

 

 

近藤喜文展(浜松市美術館)

 浜松市美術館で開催中の近藤喜文展に行ってきたので、そのメモ。

 スタジオジブリ関係の展覧会は全国のいくつかの美術館を巡回して開催されていることがあり(レイアウト展等)、近藤喜文展もその一つで既に大阪梅田・佐賀・宮城・広島等を巡回しての浜松開催。

 浜松市美術館はちょっと古めかしい感じの、それ程大きくはない施設だけれど、浜松城公園の中にある立地が良い。何せ浜松駅からバスに乗ればバス停からもすぐ、バスも130円と良心的な価格なので、非自動車所有者にとっては交通の便が良いことこの上ない。名古屋や大阪辺りからも便利だし、東京からどこかへ東海道・山陽新幹線で往復する途中に下車して観に行くにも結構便利は便利だろう。

 ちなみにバス停を降りて、通りの向かい側にある交番の右側の道を進むとすぐに美術館なのだけれど、そこから敢えて左に大きく逸れて学校の脇の道を歩くと、住宅地のはざまにちょっとした丘というか崖があって、何だか『耳をすませば』のようだなと思った。熱中症にならない範囲で、物好きな方はムタ(ムーンか)を追って図書館を大回りした雫の如く公園を一周してみるのも良いかと。浜松城天守の方は美術館の脇なので、すぐに往復できる。

 どうも一部の宣伝では「ジブリ展」と称されているようで、それは何だか『耳をすませば』の放映時に「脚本 宮崎駿」と大きく出すのと同じ傾向が認められて何だかなと。展示自体はちゃんとスタジオジブリ以前の諸作品もしっかり扱っているだけに勿体ない。

『リトル・ニモ』が『トラ・トラ・トラ!』の黒澤明降板劇の相似形の如く、日米合作のもつれから宮崎駿が降板した作品なのは知っていたが、その後の日本側監督が近藤であることはごく最近まで知らず、今回大量の関連資料が展示されていて幻の企画としての大きさを改めて知った次第。

その中で制作されたパイロットフィルムが今回全編上映されていたが、ローエングリンの第三幕への前奏曲がBGMという物凄い迫力の作画で、まさに速度が凄いが実用化されなかった実験機という感。

あとはこれも製作中止に終わったという『退魔戦記』の資料も多数あり。

個人的に観れて良かった、という物としては

赤毛のアン』のキャラクターデザインと、一番有名であろう一枚絵(LDボックス用の、90年代に入ってからの書き下ろしだったとは知らなかったが)

愛の若草物語』のキャラクターデザイン

『名探偵ホームズ』のイメージボードがたくさんあってこれだけでも満足(その1)。ハドソン夫人が実作より何だか大人っぽい。

「兄妹探偵」もののイメージ画。兄が『名探偵ホームズ』のホームズ風

「浴衣姿の少女」、これ1枚に10個ぐらい同じ少女が描かれていて、何だか昨今増えたアイドルアニメみたい

火垂るの墓』は纏まってみると圧巻。「さくまドロップス」の設定画もあった

おもひでぽろぽろ』のキャラクターデザインと、口パクの処理方法に関する指示書が労働としての作画らしくて面白かった

紅の豚』殴り合いのシーンは用紙のサンプルをパラパラ出来る

実際に使用されていた机。前面が壁でなく棚が作り付けられていた

耳をすませば』のキャラクターデザイン、原田夕子の「この人は美人」という説明の入ったデザインを生で観れてこれだけでも満足(その2)。ラフで鉛筆で薄く書かれているのと、雫等原作に意識的に寄せて描かれた物も多いのが良く分かる。

あとは『耳をすませば』の設定に関するメモ等。兄の天沢航司がまだ残っていたり、原作通り「県立図書カン」だったりしたり。

という感じで、『耳をすませば』に限定せずある意味で相当渋いラインナップとなっているけれど、作画監督やキャラクターデザインを中心とした展示で素人が観てもなかなか面白かった。

近藤喜文の仕事』は厳密には図録ではなく(従って例えば『耳をすませば』のキャラクターデザインは主要人物のみで前述の原田夕子など展示資料でも一部は省略)、近藤の没後に後進の安藤雅司が精力的に編集した追悼企画本の一つで、逆に通常の図録よりも解説・インタビュー等が充実している。また付録として、広島での巡回展の際に安藤が行った講演が小冊子として入っているので、単なる再販ではない。

『ふとふり返ると -近藤喜文画文集-』は2017年5月の第12刷が売られていて、思ったより定期的に増刷が掛かっているようで嬉しい。

浜松市美術館は前述の通りいかにも少し前の公共施設という建築だったので、逆にガラス張りの冷蔵庫のある売店でもあって、牛乳とかパンとか売ってたら『耳をすませば』風昼食がとれたかもしれないな、などと空想しつつ、作画監督やキャラクターデザインの仕事が分かる展示として充実していたと思いながら帰ることが出来た。

公文書改竄と首相秘書官虚偽答弁疑惑に関する質問

1 財務省の公文書改竄・隠蔽

1-1 最初に新聞報道等が在った時に、省内でどのように文書の存在や事実関係の確認を行い、その報告は省内及び首相周辺等の政権上層部にどこまで報告されていたのか。

1-2 1は首相による自身が夫人が関与していたら辞めるという国会答弁の前に終わっていたのか、確認終了はその後だったのか

1-3 財務省幹部及び首相周辺等は今年の問題発覚までに、再度事実関係や文書について調査や問い合わせを理財局に対して行わなかったのか。行った場合はどのように行ったのか。

1-4 首相・財務相は直接佐川理財局長(後国税庁長官)に対し公文書関連で質問したり話を聞いたりしたことはなかったのか。またあった場合にはその際局長の報告に疑問を抱かなかったのか。

1-5 谷首相夫人付の行動についてはファックスが報道されているが、他に同職員の行動について明らかにするような公文書は内閣に残っていないのか

1-6 そもそもなぜ首相夫人付が籠池理事長側との仲介を担当しているのか。安倍事務所等の私設秘書の側が仲介したなら通常の陳情対応と言えるかもしれないが、敢えて政府職員たる首相夫人付が業務内で担当した理由。

2 首相秘書官の虚偽答弁疑惑

2-1 首相秘書官が国家戦略特区問題を担当した経緯と、内閣府・各省庁との役割分担は。また首相秘書官の行動については誰の指示によるものなのか。

2-2 そもそも加計学園愛媛県今治市の担当者と首相秘書官との面会を提案・調整したのは誰なのか。首相秘書官自身なのか、学園側の提案か。学園側の提案ならば学園側は直接首相秘書官に連絡を取ったのか、他の部署経由か。あるいは内閣府等が首相秘書官に取り次いでいたのか。

2-3 首相秘書官の面会記録は本当に残っていないのか。本人及びそれを補佐する職員による日程調整用のスケジュール表のようなものはデータの形でも残っていないのか。

2-4 首相秘書官の部屋まで行く途中で、面会者は官邸の警備担当者の確認をどのように受けるのか。例えば受付で申し出るなど。首相官邸の保安上、警備担当者は面会者・入退出の記録を把握したりしていないのか。

2-5 去年7月に面会が報じられた際、首相周辺はどのようにして面会の有無を調査したのか。またその調査結果の判明は首相による国家戦略特区会議前に個別案件に携わることはなかったという答弁の前か後か。

2-6 首相自身は柳瀬経済産業審議官に直接質問する等したことはなかったのか。首相が面会していたかもしれないという「記憶」の訂正について報告を受けたのは何時か

2-7 首相秘書官への面会件数は年間どれぐらいで、面会者の所属先等は。今回のように自治体関係者が含まれる場合はどれぐらいか。面会希望時はどのようにアポイントメントを取れば良いのか。そのうち首相の指示や首相の代理による案件はどれぐらいか。また面会後首相に報告している件数はどれほどか。

2-8 そもそもなぜ3回も会う必要が在ったのか、3回の内容はどのように違ったのか

防衛省日報問題に関して 国会会議録の記録を眺めて

防衛省日報問題に関する今週の報道は、かなり衝撃的で驚くべき内容であったと考えます。

しかしながらウェブ上には何とも、雑といって良いような擁護論が観られましたので、それへの批判を兼ねて少し会議録を辿って分かったことについて記しておきましょう。

国会審議で言えば2月8日に始まり2月下旬までの時期、この段階を第1段階と整理すると、問題になっていたのは1つには情報開示請求後に敢えて日報を破棄し隠蔽していたのではないかという点と、2つには稲田大臣の再調査による結果判明と報告が遅すぎるのではないか、の2点で在ったと言えます。

これについて稲田大臣は、<1>請求時点では既に廃棄されており、文書規則上保管義務は無かった、<2>については今後の改善事項とする、という線で答弁を行っていました。

この段階での攻防の具体例は資料編の(1)-(5)にざっと挙げておきましたので御参照下さい。

ところが3月15日の報道で事態は一変した訳です。陸自が文書データを保管していたことで<1>については再度公開請求に対し意図的に隠ぺいを行ったのではないかという批判が為されましたし、<2>については陸自による保管・公開差し止め・データ消去を見逃した大臣の監督責任が問われました。

これに対し3月16日以降の稲田大臣答弁は、防衛監察本部による特別監察を実施しその結果が判明次第再発防止等の改善措置を取る、というものでした。それに対してはただちに陸上幕僚長以下に事実確認をしないことの是非、即座に責任を取って辞任しないことの是非などが論じられました。具体的には(6)で少しだけ挙げておきましたが、その後3月中に2度3度と同様の答弁は続いています。

さてこのように3月までの動きを振り返ってみると、陸上幕僚長以下による保管の事実確認・公開差し止め・データ消去について稲田大臣が事務次官陸上幕僚長の決定した方針を了承あるいは黙認した、という内容は事実ならば相当に決定的な内容です。報告を受け関与しておきながら、さも自身は不祥事について関与していなかったかのように特別監察を命じた3月の行動は欺瞞ということになります。

そしてもう1つ決定的なのは、陸自から報告を受けたとされるのが2月13日及び2月15日だということです。そう、2月14日、17日、23日などには散々稲田大臣は統幕でのみ文書が見つかり、請求時の対応の不手際で文書の発見が遅れたことだけが問題だとかなりの回数答弁していたのですから、既に陸自でも文書が見つかりそれを秘匿する方針を了承ないし黙認した上での答弁だったら、完全に虚偽答弁ということになります。

ここ数日の、例えば河野太郎議員のブログ記事 http://b.hatena.ne.jp/entry/www.taro.org/2017/07/%E5%8D%97%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%97%A5%E5%A0%B1%E5%95%8F%E9%A1%8C.phpですとか、テレビ番組における元海自の伊藤俊幸氏とかの擁護http://b.hatena.ne.jp/entry/twitter.com/kazue_fgeewara/status/888010680145555456が奇妙なのは、この統幕文書と陸自文書の違いを無視している点でしょう。

仮に2月15日前後に稲田大臣が陸自文書の存在を知っていたとするならば、[1]まず第1段階での、自ら再調査を指示し探索範囲を広げたことで統幕で見つかった、という説明は完全に崩壊しますし、[2]2月15日以降の答弁では[1]に気付きながらそれを秘匿する答弁を行った、[3]更に3月16日の陸自問題発覚以降はそれへの自身の関与を秘匿した、ということになるのは前述の通りです。既に統幕分が公開されていた文書だから陸自分の存在は秘匿しても良い、などとお考えのお二人は一体2月・3月の国会審議特に稲田大臣の答弁について何を聞いてらっしゃったんでしょうか。

繰り返しますが、稲田大臣の第1段階での防衛線は第2段階で一旦崩壊し、今また第2段階の攻防ラインすら報道で揺らいでいる訳でして、もしも今週の報道が事実通りだった場合、このような形で二重三重に公文書管理について大臣としての責任を果たさなかった稲田朋美氏は批判を免れ得ないものと考える次第です。

資料編 防衛省日報問題について 国会会議録の記録から

手持ちの材料はほぼ「国会会議録検索システム」http://kokkai.ndl.go.jp/ からです。


(0)まず0番として、2017年1月24日の共産党志位委員長の代表質問というものがございます。ここでは日報が破棄されたという問題がある、それについて「総理、日報を廃棄した自衛隊幹部の行為を是とするのか非とするのか、明確な答弁を求めます」という形で触れられているのですね。

 これに対する安倍晋三首相の答弁は、

 南スーダンPKOの日報についてのお尋ねがありました。
 御指摘の日報は、南スーダン派遣施設部隊が、毎日、上級部隊に報告を行うために作成している文書であり、公文書等の管理に関する関係法令及び規則に基づき取り扱っている旨の報告を受けています。
 なお、日報の内容は、報告を受けた上級部隊において、南スーダンにおける活動記録として整理、保存されていると承知しています。


(1)本格的な国会質疑の開始は、2017年2月8日衆議院予算委員会での民進党小山展弘議員による質問と言って良いかと存じます。小山議員の質問の主軸は南スーダンPKO派遣の前提となる安倍政権の認識批判、つまり「戦闘行為」を武力衝突と扱うことでPKO5原則を無理に適用しているのではないかという点にあったのですが、その辺りの議論はさておいて、ここで発見された日報自体に「戦闘」という語があるではないか、という疑問が提示され、それに関連して文書発見の経緯が問われております。

これに対する稲田朋美防衛大臣の答弁は、

昨年の七月の南スーダンの首都ジュバにおける衝突事案の期間中に作成された南スーダン派遣施設隊の日報については、情報公開法上の開示請求を受け、日報の作成元である派遣施設隊及び報告先の中央即応集団司令部を中心に探索した結果、既に廃棄をしていることから、文書不存在につき不開示と決定をしたものです。
 開示請求に係る行政文書は、請求から起算して三十日以内に速やかに特定する必要があります。開示請求を受けた防衛省としては、限られた期間の中で当然、陸上自衛隊の日報を作成した部隊や報告先の部隊を中心に日報が保管されているかどうかを探索したところですが、当時防衛省として文書を探索し切れなかったことに関しては、十分な対応ではなかったと認識をいたしております。
 当該日報については、その後も複数の開示請求がなされたことを踏まえ、私から本当に日報がないのかしっかり探索するよう指示をしていたところ、河野太郎議員からも再度探索すべきとの御指摘を受け、私からもさらに探索するように指示し、再度日報にアクセス可能な部局に範囲を広げたところ、統合幕僚監部において日報が電子データとして見つかった次第でございます。
 防衛省としては、再度同種の開示請求がなされれば、日報が見つかったことを踏まえ適切に対応したいと考えております。

(2)その翌2月9日、今度は同じ予算委員会において、民進党後藤祐一議員からこの日報の問題について更に質問が為されました。

○稲田国務大臣 私からは十二月十六日に再度探索するよう指示を出しまして、今御指摘のとおり、発見されたのが十二月二十六日、私宛てが一月二十七日でございます。
 この期間が長過ぎるということについてでございますが、統合幕僚監部においては、派遣部隊等と不開示となった事実関係を確認し、また、これらの資料を最終的に開示するに当たり、不開示とすべき箇所の判断を行っており、これらに時間を要したものであって、隠蔽の意図があったとの一定の御指摘は当たりません。
 また、一度破棄したと説明した資料が発見されたことを明らかにする以上、防衛省としては、その資料の内容をしっかりと国民に向けて説明する必要があり、私に説明を上げるに当たっても一定の準備は必要であったというふうに思います。
 他方、私の指示、十二月十六日、委員が御指摘になったとおりですけれども、資料が見つかったということ、事務方から見つかったという事実自体について速やかに報告が上がるべきであったという御指摘はそのとおりだというふうに思いますので、その点は関係部署に対して指導したところでございます。


(3)2月14日、同じく衆議院予算委員会民進党辻元清美共産党笠井亮両議員と再び後藤議員とがこの問題で質問を行っております。

辻元質問に対しては、

○稲田国務大臣 まず、破棄したこと自体は法律違反ではありません。
 しかしながら、私も、あるんじゃないかと思って捜索を指示いたしました。そして、あったら必ず公開しろ、探して、あれば必ず公開しろということで指示をしたわけであります。そして、一カ月後の一月二十七日に報告を受けた。この経過については、しっかりと事実関係を調査したいと考えております。

○稲田国務大臣 まず、隠蔽する意図は全くありませんでした。そして、隠蔽する意図がないから今開示しているんじゃないでしょうか。ですから、隠蔽を組織ぐるみでやったということについて、私は否定します。
 しかしながら、なぜ、一カ月間、これだけ時間がかかったのか、そして、今、総理の答弁がどうだったのかということをおっしゃいましたので、しっかりと事実関係は調査いたしますということを申し上げております。

後藤質問に対しては、

○稲田国務大臣 御指摘の不開示決定については、決定の取り消しを求めて行政不服審査法に基づく審査請求が提起されており、この審査請求につきましては、これを認容することとし、二月九日木曜付で不開示決定を取り消す裁決を行ったところでございます。

○稲田国務大臣 まず、廃棄は、陸上自衛隊の文書管理規則にのっとって、目的を達成した後に廃棄することとなっております。それに従って、これまでに陸上幕僚監部からは派遣施設隊及び中央即応集団司令部における業務実態について報告を受けており、日報は、中央即応集団司令部への報告後に用済みとなり破棄していたことを確認いたしているところであります。
 そして、紙媒体については四日以内ぐらいには破棄をしておりますが、電子データについて、今、いつ破棄したかということをしっかりと調査しているところでございます。正確に報告を受けた上で、適切な形で報告させていただきます。

笠井質問に対しては、

○稲田国務大臣 まず、日報に関しては、陸上自衛隊の文書管理規則によって、用済み後廃棄となっております。したがって、その規則に従って廃棄をしたということでございますが、私自身も、日報を本当に廃棄したのか、本当に全然残っていないのかということで、指示をして、そして、あった場合には必ず公開するようにということを申し上げました。
 また、この日報を隠蔽する意図も、また内容について隠蔽する必要のないものであったことも、そのとおりでございます。そういう意味において、日報が見つかってから一カ月間、私のところに報告が上がってこなかったことは非常に問題でありますし、また、開示請求が来たときに十分に捜索できなかったことも問題であります。
 また、委員を初め皆様方から指摘されているように、第一次資料の日報を用済み廃棄、そういう規則にしていることはどうなのかという指摘もあります。私としても、しっかりとその目的を達成するというか、ある程度の期間はしっかりと置いておくべきだというふうに考えているところでございます。

○笠井委員 国会議員に対して防衛省が明らかに事実と違う虚偽の説明をした、これは隠蔽以外の何物でもありません。
 稲田大臣は、日報にアクセス可能な部局に範囲を広げて探索したところ、統合幕僚監部で見つかったとこの間も答弁、説明をされておりますが、そうやって範囲を広げて探索をしないと出てこないものなんですか。

○稲田国務大臣 日報を作成した派遣部隊、さらにはその報告先であるところの部隊において破棄をされたということでありますので、それからさらに範囲を拡大して捜索したということでございます。

○笠井委員 今回、当初は廃棄したと言っていた日報の電子データでありますが、実はそれが統合幕僚監部で発見されたというのが説明でありますけれども、その電子データは教訓センターデータベースというところにあったのではないですか。

○稲田国務大臣 それは統幕の中にございました。

(4)2月17日にも衆院予算委員会において、辻元・後藤両議員の質問が行われました。また2月20日にも民進党升田世喜男民進党長妻昭共産党畠山和也、後藤各議員がこの問題を取り上げています。
2月17日の後藤質問に対して

○稲田国務大臣 先ほどの答弁を少し補足しますと、派遣施設隊の日報それからCRFの日報は短期間で用済みになって、破棄される文書については規則上、破棄した期日を記録することとはされておりません。その上で申し上げれば、文書管理者である中央即応集団司令部防衛部長ないしは派遣施設隊長のもとで適切に廃棄された、破棄されたとの報告を受けております。
 その上で、今御指摘の、統幕において一次要員から第九次要員までの日報を保管しているのではないかということを、委員の御質問を受けまして確認いたしました。そして、南スーダンへの部隊派遣の開始以来、日報を電子データとして保存していることを確認したところでございます。

2月20日の升田質問に対して

○稲田国務大臣 まず、今回の南スーダンの派遣部隊がつくっていた日報ですけれども、これは用済み後破棄という規定になっていて、その規則に基づいて破棄をされておりました。
 しかしながら、私はその報告を聞いたときに、自分の経験則、それは弁護士としてもそうですし、一般国民としても、それはどこかにあるんじゃないのかと指示をして、どこかにあるんだったら、早く探して、そして公表しなさいよと。それが、委員がおっしゃる、怖かったから言えなかったということを指されたのかと思いますが、そういうことはないと思います。
 私はそう言って、そして言われた方も見つけて、十二月二十六日にあった。あったので、それはすぐ公表しなきゃいけない、大臣がすぐ公表しろということで、そこからさまざまな作業をして一月二十七日になって私に報告したということでございますけれども、でも、私も、委員がおっしゃるように、あったという事実自体をなぜ早く伝えなかったのか、まずあったという事実を早く伝えるべきであったということは、厳しく指導して注意をしたところであります。


2月20日の畠山質問に対して

○稲田国務大臣 捜索が不十分だったことは確かですが、その際、開示請求を受けて捜索したのは、原本をつくっている派遣施設隊と、そしてその報告先であるところの中央即応集団司令部であったということでございます。

(5)2月22日の予算委員会第一分科会、そして2月23日の予算委員会と、後藤祐一議員による質問が続きました。また2月23日の予算委員会第一分科会では共産党本村伸子議員、升田・辻元両議員も再度質問を行っています。この段階では、文書の発見元とされた統合幕僚監部にも12月に照会がいっていたことの妥当性という問題も問われていました。

2月22日、予算委員会第一分科会

○稲田国務大臣 冒頭、後藤議員から謝罪がございました。そして、その内容、厳しく指導して女性職員が威圧と受けとめたと言われたわけですけれども、先日の会見、読ませていただいても、報告を受けている内容とかなり乖離をいたしております。そして、極めて不適切な言動であったということについて遺憾に思います。この場で具体的にそのことについてこれ以上は申しません。立ち入りません。
 その上で、今のお尋ねですけれども、日報の開示請求に関し、防衛省では、日報作成元の派遣施設隊、報告先の中央即応集団の司令部で日報を探したけれども、廃棄済みのため不存在だった。かかる捜索結果を受けて、幕僚長から不存在のため不開示との上申がなされ、昨年十一月二十八日、大臣官房から統幕に意見照会が行われました。
 統幕参事官付では、日報の作成元である陸上自衛隊が廃棄済みのため不存在とした判断について意見の有無を問われ、政策調整官まで了解をとり、意見なしと回答をいたしました。このとき関与した者は、当該文書について、統幕が報告先でもなく、保存せよとの業務上の指示も受けていなかったことから、開示請求を受けた日報が統幕参事官付内に存在しているとの認識はなかったものです。
 私は、以上のような報告を踏まえ、二十日の衆議院予算委員会で、統幕が回答した時点で当該日報が統幕にあることを知っている人はいない旨をお答えいたしたところです。
 そして、この意見照会に対し、統幕参事官付政策調整官は、部下職員から照会文書の提示を受け、口頭で意見なしとの回答を了解しました。この過程において、文書は作成されておりません。
 なお、本件については、政策調査官の了解をもって回答したものであり、当該照会について統幕参事官本人は承知していませんでした。
 通常、この種の過程は、参事官付の次席である政策調査官を含め、数名の職員がかかわると考えております。

2月23日、予算委員会

○稲田国務大臣 情報開示請求、一旦不開示にしたものを後で探して公開した、それによって全体的に趣旨に沿ったものになっております。
 そして、私はもちろん、今回の、統幕参事官付に七月の日報が保存されているかを確認していなかったこと、これが不十分であったことは認めております。そして、今後の課題として、やはりしっかり探す、捜索範囲を広くする、今回のことを教訓に生かすということを申し上げているわけです。
 しかしながら、本件においては、捜索を指示し、捜索し、公表をいたしております。そういう中で、今後の課題として、今委員が御指摘になった点も生かしていくということを申し上げているわけでございます。

2月23日、予算委員会

○稲田国務大臣 まず、本件は隠蔽じゃないんです。隠蔽じゃないからこそ公表しているんです。しかも、一次隊から全部の書類を今公表しようということで準備しているんです。(後藤(祐)委員「それは私に言われて出しただけじゃないですか」と呼ぶ)違いますよ。
 私は、聞いたときに、報告を受けたときに、これはどこかにあるんじゃないの、とにかく徹底的に捜索して、あるものは全て公表しましょう、それと、やはりこの日報というものが一年未満廃棄でいいかどうか、これはしっかりと検証しましょうということを申し上げたところであります。
 したがいまして、本件は隠蔽ではないんです。確かに不十分だったところはあるかもしれません。それは将来に対して生かしていきますけれども、隠蔽ではないということを申し上げたいと思います。(後藤(祐)委員「全く答えていない。調べる義務があったのかと聞いているんです。質問を忘れちゃっているんですよ。時計をとめていただけますか」と呼ぶ)

2月23日、升田議員に対する予算委員会第一分科会での答弁

○稲田国務大臣 今委員御指摘になったように、日報を探索して、発見されて、そしてそれを私に報告するまで一カ月がかかったということは、余りにも時間がかかり過ぎるということで、私も関係部署に対して指導、注意はしたところです。
 その上で、委員が、一カ月もかかったということは、防衛省と私との間のコミュニケーションがうまくいっていないのではないかというお尋ねですけれども、今回、十二月十六日に、日報が文書不存在のため不開示である、文書を破棄したこと自体は規則に基づいているんですけれども、適法なんですが、それで破棄されたという報告を受けて、私は、自分の経験則、弁護士としても、一国民としても、それは、電子データはどこかにあるんじゃないの、とにかく徹底的に探して、そしてあれば、もう全て公表しましょうということを言って、そしてそれが発見されて公開するに至った。そういう意味では、私は、職員との間のコミュニケーション、すなわち、これは探して公表しましょうという中で行われたというふうに思っております。
 また、現在に至るまで、事務方から、そういった経緯、問題点、しっかりと報告をされて、これを踏まえて再発防止に向けた指示を行うなど、コミュニケーションは円滑に行われているところであります。
 しかしながら、今後、コミュニケーション、委員が御心配をされるのは、やはりそういうものがないと、委員の御地元の派遣部隊の様子というものが私のところに上がってこないんじゃないかという心配をされているんだと思います。そういう意味からも、やはりしっかりとコミュニケーションをとる。そして、私に上げるに当たって、万全の準備をしてから対応しようと過度に完璧主義に至るんじゃなくて、節目節目で迅速に要点を報告すべく意識を変えていこうということも確認をしているところであります。
 二十五万人の自衛隊員と緊密な関係を築く、そして、派遣隊を送り出されている家族の皆さん方に、今回のこういったことで無用な不安を今後与えないように、しっかりと指導もし、またコミュニケーションもさらに緊密なものになるように、私自身も努力してまいりたいと考えております。

2月23日、辻元議員への予算委員会第一分科会での答弁

○稲田国務大臣 何度もお答えをいたしておりますけれども、私は、私の指示でこの日報が出てきて、公表されたということは評価しています。
 しかしながら、何が問題か。やはり、指示をして見つけるまで、見つけてから公表するまで一カ月もかかってしまったということは非常に問題であるし、そこは改善していく。
 さらには日報の取り扱いですね。日々施設隊がつくっている日報を用済み、破棄としてきた。これは、南スーダン施設隊を派遣したのは民主党政権で、そのときからずっとそうですけれども。でも、この日報を用済み、破棄にしている取り扱いがどうなのか、ここも問題だと思います。

(6)ところが3月15日、統幕の他に陸自でも同様の日報が保管されていたこと、そして保管していたことを隠した上でデータ消去を行っていたことが報道され、更にその翌日には陸自トップの陸上幕僚長らもこれに関与していたことが報じられました。

3月16日の衆議院安全保障委員会では、珍しく自民党中谷真一議員もこの報道について語りながら与党側から質問を行っています。それへの答弁。

○稲田国務大臣 開示請求されておりました昨年七月分の日報については、陸上自衛隊の派遣施設隊及び中央即応集団司令部において探索を行った上で、陸上幕僚長から私に対し、廃棄済みのため不存在との上申を受けていたところです。
 その後、私の指示のもと、防衛省がみずから再探索し、当初の探索範囲でなかった統合幕僚監部にて発見し、みずから公開したところであり、これまで、情報公開への対応としては適切であったと繰り返し申し上げてまいりました。
 他方、今般の報道を受けまして、まずは陸上幕僚長に事実関係の確認を指示いたしましたが、本件につきましては、私の責任のもと、陸上自衛隊から離れた独立性の高い立場から徹底した調査を行わせることが重要と考え、元検事長を長とし、現役の検事も勤務する、大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を昨日指示したところでございます。また、陸上自衛隊には、本件特別防衛監察の実施に全面的に協力させることとしております。今後、できるだけ早く監察結果の報告を求めたいと考えています。
 大臣直轄の防衛監察本部により徹底的に調査の上、防衛省自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば、私の責任で改善していきたいと考えております。
 最後に、日報のデータを消去するよう指示が出されたとの報道がなされている点でございますが、私は、昨年十二月に統幕からの報告を受けた際、日報を改めて探索し、公開するよう指示をしており、破棄を指示するようなことは断じてありません。
 本件に関しては、防衛監察本部の特別防衛監察の中で徹底的に事実関係を調査させた上で、しっかりと、文書管理のあり方、また、防衛省自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば、私の責任でしっかりと改善していきたいと考えております。

民進党今井雅人議員とのやり取り。

○今井委員 民進党今井雅人でございます。
 きょうは、委員外でございますけれども、質問の機会をいただきましたことを皆様に感謝申し上げたいと思います。ありがとうございます。
 きのう質問の準備をしているときに驚くべき報道を目にしたんですけれども、先ほどもちょっとあった、話題が上がったそうですが、御存じない方もいらっしゃると思いますので、NHKの報道、文字に起こしてきましたので、改めてここで読ませていただきます。
 南スーダンで大規模な武力衝突が起きた際のPKO部隊の日報について、防衛省は、陸上自衛隊が破棄し、その後、別の部署で見つかったと説明していますが、実際には陸上自衛隊が日報のデータを一貫して保管していたことが複数の防衛省幹部への取材でわかりました。さらに、これまでの説明と矛盾するとして一切公表されなかった上、先月になってデータを消去するよう指示が出されたと幹部は証言しています。
 南スーダンでPKO活動に当たる自衛隊の派遣部隊が日々の状況を記した日報について、防衛省は、現地で大規模な武力衝突が起きた去年七月の記録を情報公開請求されたのに対し、部隊の指揮に当たる陸上自衛隊の司令部が既に破棄していたとして、昨年十二月、日報は存在しないと回答しました。
 その後、再調査が行われ、防衛省は、陸海空の各自衛隊でつくる統合幕僚監部に保管されていたことがわかったと先月七日に発表しましたが、その一方で、陸上自衛隊には存在しないと説明しています。
 ところが、実際には、陸上自衛隊が日報の電子データを一貫して保管していたことが複数の防衛省幹部への取材でわかりました。それによりますと、陸上自衛隊に電子データがあることがわかったのはことし一月中旬で、部隊を指揮する司令部の複数のコンピューターに保管されていました。このことは、陸上自衛隊の上層部に報告され、一旦は公表に向けた準備が進められたということです。このときの方針は、陸上自衛隊で日報のデータが見つかったことを認めた上で、隠す意図はなく、今後公表するという内容だったということです。
 しかし、その後、これまでの説明と矛盾するため外部には公表しないという判断になり、さらに、先月になってデータを消去するよう指示が出されたと幹部は証言しています。
 防衛省幹部の一人は取材に対し、日報の電子データは陸上自衛隊の司令部もダウンロードし、保存していました、しかし、今さら出せないということになり、発表しないことになった経緯があります、今現在、司令部のデータは消去されたと聞いていますと証言しています。
 驚くべき証言ですね。完全な隠蔽です、事実だとすれば。
 稲田大臣はこれまでずっと、自分が指揮して、日報がないか調査しろ、調査しろというふうに私が言ってきたというふうに豪語されておられましたけれども、一体何を調査してこられたんですか、これまで。こういう話はこれまで出てこなかったんですか。

○稲田国務大臣 開示請求されていた七月分の日報については、陸上自衛隊の派遣施設隊及び中央即応集団司令部において探索を行った上で、陸幕長から私に対し、廃棄済みのため不存在と上申を受けておりました。その後、私の指示のもとで防衛省がみずから再探索し、当初の探索範囲でなかった統合幕僚監部で発見をして、みずから公開したところであって、これまで、情報公開への対応としては適切であったと申し上げてきたところでございます。
 他方、今委員が読み上げられた報道を受けて、まずは陸上幕僚長に事実関係の確認を指示しましたが、報道されている内容が仮に事実であるとするならば、防衛省自衛隊に対する国民の信頼を大きく損ねかねないものであることから、本件については、私の責任のもと、陸上自衛隊から離れた独立性の高い立場から徹底した調査を行わせることが重要と考え、元検事長を長とし、現役の検事も勤務する、大臣直轄の防衛監察本部に特別防衛監察の実施を指示したところであります。陸上自衛隊には、本件特別防衛監察の実施に全面的に協力させることといたしております。
 大臣直轄の防衛監察本部により徹底的に調査の上、防衛省自衛隊に改めるべき隠蔽体質があれば、私の責任で改善していきたいと考えております。

同日、後藤議員とのやりとり。

○後藤(祐)委員 つまり、昨年七月の日報があったのかどうか、いつまであったのかどうかという、予算委員会で膨大な時間をこれによって費やしてしまった、その答弁が変われば予算委員会の時間を返してほしいという話になるものについて、切り離して、早くここに報告することはしないという意味の答弁だと受けとめました。
 大臣、これは予算委員会を何だと思っていらっしゃるんですか。予算委員会の時間をあれだけかけたことについて、大臣の責任、どう考えるんですか。大臣、もしこの二月十四日及び二月十七日の答弁が変わるという結果になった場合には、大臣を辞職されるということでよろしいですか。

○稲田国務大臣 私の責任において、徹底的に事実を解明した上で、再発防止、さらには文書の保存のあり方、そして、委員が何度も御指摘になっているところの、仮に自衛隊防衛省の隠蔽体質なるものがあるとすれば、そこは徹底的に事実を解明した上で改善をしていくということでございます。

同じく3月16日に共産党赤嶺政賢議員も質問を行い、翌3月17日にも後藤・笠井議員、民進党寺田学議員らが再度質問を行っている。これ以降にも、3月21日、3月23日に関連質疑が行われた。