2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

小野不由美『風の万里 黎明の朝』上・下

小野不由美『風の万里 黎明の朝』上 新潮文庫、2013年 小野不由美『風の万里 黎明の朝』下 新潮文庫、2013年 講談社文庫版で揃えていたところに、この夏偶々新潮文庫の新装版を棚で見つけ、かれこれ5年ぶりに中断していたこの巻の途中以降を読み終えた。陽子…

谷川史子『清々と』3 

谷川史子『清々と』3 少年画報社、2015年 少年画報社の漫画本は、カヴァーをめくると設定資料だったりカバーとは別のイラストだったりが描かれているという、ちょっとした豆知識を知ったという。しかしまあ前の1・2巻の記事からはや3年かあ、と思う。4巻で完…

谷川俊太郎編『辻征夫詩集』

谷川俊太郎編『辻征夫詩集』岩波文庫、2015年 荻原魚雷『本と怠け者』ちくま文庫、2011年で紹介されていることに去年気が付かなかったら、多分手に取ることさえ無かったかもしれない1冊。現代詩文庫を見ると正直多少慄いてしまうような当方だけに、「詩集」…

森薫『シャーリー』2 

森薫『シャーリー』2 エンターブレイン、2014年 確か『エマ』を一通り揃えてしまった後に、ブックオフで見つけて「お、『エマ』と同系統の作品かな」と思って買い込み、「どうも『エマ』のプロトタイプ臭いなあ」と思いながら読みだしてみると、いやもう何と…

小田実『われ=われの哲学』

小田実『われ=われの哲学』岩波新書黄版、1986年 小田実に対する悪評は、ウェブ上では事欠かない。 では彼の文章に対する悪評を見るかと言えば、まずお目にかからないのが常ではないだろうか。せいぜい、彼の文章の一部に示された認識の一部を、いささか暴…

岡崎武志『古本でお散歩』

岡崎武志『古本でお散歩』ちくま文庫、2001年 そもそも古本に関する本を読んだことのある人間は、読書する習慣のある人の中で1割にも満たないであろうから、古本本を複数読んでいる当方などは古本本に関してはまあ一応は有段者だろうと思わなくはないのだけ…

荻原魚雷『書生の処世』

荻原魚雷『書生の処世』本の雑誌社、2015年 『本の雑誌』での連載をまとめた1冊…ただし初出時に比べると各回について平均5-6行分を削った、とのことで、これは毎月読んでいる訳ではない読者にとっては、少し気になる異同だ。出身地の三重県に帰省した際の話…