日本学士院会員の日本学術会議会員経験について(第1分科の場合)

日本学術会議会員の任命を巡る一連の事態については、まず6名のみを任命拒否する際に学問業績や政治的・思想的言動への行政側の恣意的な介入があったとすれば到底許されることではないと考えますし、そういった点を説明するに足るだけの情報公開や公文書管理…

『ガ―ルズ&パンツァ― 最終章』第2話

割と最近になってようやく第1話を観たので、第2話はまたしばらくしたらレンタルで観よう…と思っていたところ、偶々検察庁法改正案反対のハッシュタグをツイートした水島努監督のところに似非保守の人々、それも某ガルパン協力者までが反論のツイートを寄せる…

検察庁法改正に関する公文書管理についてのメモ

黒川東京高検検事長の定年延長が閣議決定される →法的根拠は何かという批判が出る 国家公務員法の定年延長規定が検察官にも適用可能だという説明 →従来は適用範囲外という解釈だったではないかという批判が出る →小西参議院議員が国立公文書館で、解釈を記載…

『ガ―ルズ&パンツァ―』劇場版における「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦」を巡って

以前「はてなハイク」で2016年3月頃に書いていた内容の再録。 劇場版で西住まほが作戦名に「ニュルンベルクのマイスタージンガー作戦」と提案して「長い!」と一蹴されているシーンがあるけれど、あの作品はこのシリーズと通底する主題を扱っているので、なか…

『ガ―ルズ&パンツァ― 最終章』第1話

『大脱走』ネタが入っていると聞いて、そういえば未視聴だったと漸く観た。しかし2つ目の描写はすぐに分かるけれど、1つ目の描写で『大脱走』を最初に連想できた人は凄い。 個人的には2回目の視聴で気が付いた、作中のポスターに第一次世界大戦の某志願兵募…

『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』1997年

ピアース・ブロスナン版ジェームズ・ボンドシリーズの2作目。悪役はメディア王で情報操作による謀略を仕掛けてくる訳だが、1990年代後半なのでハイテク技術は専ら情報の収集の方で使われていて、発信自体は紙の新聞(印刷所で輪転機が廻っている側での格闘シ…

『天気の子』(2019年)

『天気の子』2019年 鉄道と東京に興味がある人と、それから刑事ドラマとか推理小説とかも嫌いじゃない人は一度観てみましょう。それ程劇場で観る効果の大きい作品ではないかもしれませんけれど。 以下はいわゆるネタバレです。 さて御覧になって如何でしたで…

『スケバン刑事』劇場版(1987年)

『スケバン刑事』劇場版(1987年) 欠点もあるんだけれど、何だかんだで観てしまう作品。特撮映画であると同時に1980年代のアイドル映画という文脈も強く、演技がどうこう脚本がどうこう言い出すと色々言えてしまうのだけれど、やはり何だかんだ一見すると楽…

雪の華(2019年)

『雪の華』2019年 1日に何か映画館で観る作品あるかなあ、おっこの作品はそういえば駐日フィンランド大使館さんが紹介していたなあ、フィンランドロケでどんな映像使っているんだろう、ということで観に行ったので、メモ。 所謂余命1年のヒロインの恋愛物を…

近藤喜文展(浜松市美術館)

浜松市美術館で開催中の近藤喜文展に行ってきたので、そのメモ。 スタジオジブリ関係の展覧会は全国のいくつかの美術館を巡回して開催されていることがあり(レイアウト展等)、近藤喜文展もその一つで既に大阪梅田・佐賀・宮城・広島等を巡回しての浜松開催…

公文書改竄と首相秘書官虚偽答弁疑惑に関する質問

1 財務省の公文書改竄・隠蔽1-1 最初に新聞報道等が在った時に、省内でどのように文書の存在や事実関係の確認を行い、その報告は省内及び首相周辺等の政権上層部にどこまで報告されていたのか。1-2 1は首相による自身が夫人が関与していたら辞めるという国会…

防衛省日報問題に関して 国会会議録の記録を眺めて

防衛省日報問題に関する今週の報道は、かなり衝撃的で驚くべき内容であったと考えます。しかしながらウェブ上には何とも、雑といって良いような擁護論が観られましたので、それへの批判を兼ねて少し会議録を辿って分かったことについて記しておきましょう。…

資料編 防衛省日報問題について 国会会議録の記録から

手持ちの材料はほぼ「国会会議録検索システム」http://kokkai.ndl.go.jp/ からです。 (0)まず0番として、2017年1月24日の共産党志位委員長の代表質問というものがございます。ここでは日報が破棄されたという問題がある、それについて「総理、日報を廃棄した…

外岡秀俊『情報のさばき方』朝日新書

外岡秀俊『情報のさばき方-新聞記者の実践ヒント』朝日新書、2006年 10年近く前に入手してから時々部分部分を読んできたのだけれど、今回完読。 「インデックス情報」という名前はいまいちこなれていないけれど、メタデータの一種と見ると成程ここ10年でその…

藤井四段に関する名古屋大学の「大学からのお知らせ」

淡々としていて、標題だけ読むとプロ棋士の紹介記事というよりもアマチュア大会での活躍みたいで(それにしたって凄い記録だろうけれど)、却って面白い。http://www.nagoya-u.ac.jp/info/29_1.html それから大阪大学将棋部のOB紹介で、糸谷八段の「愛称」が「…

2017年度国立大学図書系採用試験の採用予定数

今年分はないのかなあと感じたので、過去2年分の2016年度国立大学図書系採用試験の採用予定数 - Yukimushiと2015年度国立大学図書館採用試験の採用予定数 - まだ書きさしのを参考に作ってみました。 変更等発見された場合は、コメントにて御教示下されば対応…

山本幸三大臣の学芸員と文化財への発言に関する一考察メモ

まあ完全に不見識な発言と言う他ありますまい。 毎日新聞の報道がどうも一番詳しいようです。インバウンド:山本地方創生相「学芸員はがん。一掃を」 - 毎日新聞まあ冒頭からいきなり「講演は滋賀県が主催し、山本氏は「地方創生とは稼ぐこと」と定義して各…

関千枝子『図書館の誕生』

関千枝子『図書館の誕生 ドキュメント日野市立図書館の20年』日本図書館協会、1986年 かつて北上次郎は日野市立図書館誕生のこの物語を「水滸伝」と評したが(『図書館読本 別冊・本の雑誌13』本の雑誌社、2000年)、初代館長による前川恒雄『移動図書館ひまわ…

ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏

岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏』無明舎出版、2003年 岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 2003~2008』岩田書院、2008年 岩田博『ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 part3 2008~2013』岩田書院、2013年 1993年に設立された出版社である岩田…

『図書館を育てた人々 日本編1』

石井敦編『図書館を育てた人々 日本編1』日本図書館協会、1983年 田中稲城から中田邦造まで、明治期から戦前期までの代表的な図書館関係者18人を取り上げた評伝集で、『図書館雑誌』での連載記事が元なので、実物を手に取ると思ったよりコンパクトだった。 …

回顧・2016年 読んだ本 附 読んだ漫画

過去の分は回顧・2014 読んだ本 附 読んだ漫画 - 書房日記と回顧・2015 読んだ本 附 読んだ漫画 - 書房日記。 しかし2年前はこれでも多少は読んでいたんだなあと感じてしまうし、過去2年と比べても更に数が減ったことは否めず、更に途中からほとんど個別記事…

2016年の回顧

駆け足で振り返ると、はてなブックマーク別館 稲田朋美防衛大臣の就任会見に関する質問 - 書房日記がはてなブックマークでは今年最大の反響で、貧困女子高校生報道を巡る問題についてのはてなブックマーク別館 自称愛国似非保守の言論における誤認と無責任さ…

日本将棋連盟の不正疑惑対応とその不当性について

過去3度の記事でも延々書いてきたことであるが、この事件は動きがあればある程、予想を上回る事態が起こり、全く閉口したくなる憂鬱な気分で記事を書くことになる。既に3度の記事で提示した視点を再提示するものに過ぎないが、今この時点で改めて書きたいと…

第6期積読本順位戦

第6期積読本順位戦A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社 1 家永三郎『太平洋戦争』岩波現代文庫2 『丸山眞男集』第3巻 岩波書店3 市村弘正『小さなものの諸形態』平凡社ライブラリー4 阿部謹也『北の街にて』講…

第5期積読本順位戦

第5期積読本順位戦A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 前川恒雄『移動図書館ひまわり号』夏葉社 1 家永三郎『太平洋戦争』岩波現代文庫2 『丸山眞男集』第3巻 岩波書店3 荻原魚雷『閑な読書人』晶文社4 阿部謹也『北の街にて』講談社5 齋藤…

恐るべき三笠宮

ぼけっと小西四郎・遠山茂樹編『服部之總・人と学問』日本経済評論社、1988年を眺めていたら、没後30年集会で今年亡くなった三笠宮が日本近代史研究会とのかかわりや服部之総との付き合いを振り返った発言の中で、 私なんか立場上非常に冷たいお付き合いが多い…

第4期積読本順位戦

単なる積読本を何となく並べて、将棋の順位戦風にしてみただけのリスト。現実の順位戦は何とも歯がゆい事態になっているけれど… A級 挑戦1冊、降級2冊(読了本が出たら、1冊)挑戦中 桜井英治『贈与の歴史学』中公新書 1 前川恒雄『移動図書館ひまわり号』夏…

加藤寛治日記と1929年の美保関滞在について

早いもので1年が過ぎてしまったけれど、DG-Lawさんが松江市美保関の旅館で発見された、加藤寛治の1929年の美保関滞在について (http://blog.livedoor.jp/dg_law/archives/52299815.html)。「しかし,加藤寛治ってひょっとして美保関事件の時の滞在なのでは………

『君の名は。』(2016年)の鉄道描写 或いは二度見のすすめ

以前書いた『君の名は。』の記事(http://d.hatena.ne.jp/shigak19/20160904/1472915838)で、推測扱いだった鉄道描写について確認する為に、『君の名は。』のロードショーに再度行ってきた。結論から言うと1回目で見逃したり推測を誤ったりした点が多々あった…

三度日本将棋連盟と不正疑惑について

前回以降の動きとしては、(1)渡辺明二冠による『週刊文春』のインタビュー等により、渡辺二冠が告発者の一人であることが明かされると共に、日本将棋連盟常務会は羽生善治三冠、佐藤天彦名人、棋士会長の佐藤康光九段らを集めた会合を開き疑惑について検討を…