ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏


1993年に設立された出版社である岩田書院は、主に日本史と民俗学関連の学術書を取り扱っていて、編集者を兼ねる岩田社長ただ一人が正社員という会社で、その設立以来20年分の「新刊ニュースの裏だより」をまとめたのがこのシリーズとなっている。

実はこの裏だより、同社のホームページでも全て公開されている。書籍として読むと一つ一つの記事の短さは時に感じるし、時には愚痴や毒も混ざっている。ただ通読することで、1990年代からの出版の変化、底が抜けるような学術書を取り巻く状況の変化と、その中で一貫して学術書を発行し続けてきた著者の出版への意気を読み取ることも出来る。学術書出版に関する具体的な記録として、出版に興味のある読者から今後も参照されることが期待される。