本棚を撮影してみる

http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20141120/1416471369

 上記のid:Mukke氏の記事を読ませて戴き、読者として記事に対してブックマークをさせて戴いただけでしたけれども、わざわざ「追記」で当方のブックマークへの反応まで記して下さったのにこちらは何の情報も提供しないのは、いささか仁義・義理を欠くと思い、どんな記事になるかは不明ながら、一つ「本棚」の写真を撮影して記事を書いてみました。

 しかし、最初から弁解交じりですけれども、やはり私はアナログ派な上に、およそ人に見せられるような本の取扱いをしていないことを痛感させられてしまった次第です。

 まずデジタルカメラを家から探し出し、充電するところから始めた始末でした。手振れもあるだろうし、採光も出来ていないでしょうし、本棚を俯瞰できるような空間も不足しています。ちゃんと表題の読み取れる本が存外少ないのは申し訳ない結果で、我ながら情けない休日でした。


右半分の上は横置きの新書(主に岩波新書新赤版)、下には実は中央公論社の『世界の歴史』シリーズ(1990年代に出た方)の緑色の背表紙があったはずなのですが、見事に暗がりに隠れてしまいました。
こうして改めて詳細を見ると、岩波新書+岩波現代文庫の棚としてスタートしたはずなのに、いつの間にか新規入手本に浸食されて主題も何もない無茶苦茶な並びになっていることが良く読み取れますね。


横置きの文庫と新書の一例。積読本を横置きすると、ますます読まなくなってしまうという困った事態が多々生じている棚でもあります。
ちょっと手を入れればすぐに改善できそうな箇所がちらほら。一番右側の、講談社現代新書の世界史関係シリーズの中に斉藤孝『スペイン戦争』中公新書が混じっていたり(本来一番左の、河原温ブリュージュ』大津留厚『ハプスブルクの実験』と一緒に中公西洋史として分類しないといけないところ)、逆に同じ講談社現代新書でも「新書東洋史」は左端だったり等々、書けばきりがありませんが。ちなみに右から2列目の岩波文庫赤帯の中には、Mukke氏が「追記」で言及されていた『ルバイヤート』もあるのですが、残念ながら当方は未読のままです。あ、その上の方に『ハンガリー民話集』もあるけれどこれも未読…いや本棚に置いてある本こそ既読の割合は相当に低いのですけれど…。


かつて岩波が出していた「ライブラリー版」、同時代ライブラリーは古本屋さんやブックオフ等々で結構見かけるので積極的に揃えています。岩波現代文庫初期のラインナップには同時代ライブラリーの移植が多かったりするので、岩波現代文庫を探す時ついでに同時代ライブラリーを探してみるといいかもしれないですね。


ライブラリー版は新書と一緒に積み上げるとすぐに崩れるので、無意識のうちに本棚に優先的に配架されているという事情はあります。しかし平凡社ライブラリーの未読率の高さたるや…(下手すると完読したのは二宮宏之だけか)。ちなみに『ヨーロッパ戦後史』下巻の右隣は新谷かおるの戦場ロマンシリーズの文庫版で、確か主に米海軍の魚雷艇の話だったはずです。


この辺りはかなり未読率が高いと思って戴けると…。一番他者への鑑賞向けの本棚かもしれませんけれども、哀しいかな一番散らかっている所に鎮座しています。
ちなみにまさかいらっしゃるとは思いませんけれども、2枚目で置かれていた薩摩秀登『物語チェコの歴史』中公新書がまた出てるがどういうこと?と疑問をお持ちの方は、世の中には新刊書店で買った本が100円から300円ぐらいで売られていると悔しくて古本屋で買ってしまう、という困った癖を持つ人間も居ることをお察し下さい。
ただし、良知力の本に関しては、ライブラリー版の古本をどうしても見つけられないで(一度だけ古本屋で見つけたら、何と定価以上の価格でした)、単行本を見つけた後でライブラリー版が復刊されたので、こちらは逆の順序で入手したものが上下にあったりします(実は正確には単行本がもう1冊あったりするのですけれど、さてお分かりになりますか…)。



漫画文庫棚兼用。佐伯かよの竹宮恵子、それに藤子・A・不二雄『まんが道』など。黒い表紙の中公文庫コミック版は、中公が倒れて読売新聞社傘下になる前の時期という、出版史としては微妙な存在なのでしょうけれど、現在新刊流通がない分古本で廉価で見かけることも多いシリーズです。この奥が更に二重になっていて、萩尾望都やら竹宮による『吾妻鏡』の漫画版3冊、田中芳樹銀河英雄伝説』の各版、小野不由美上橋菜穂子などなど、「奥にあっても何時か読みたくなって探すだろうから取り敢えず裏へ回した」一群の文庫本があったりします(もっとも『十二国記講談社文庫版がなぜか1冊だけ逆向きに配架されてるのも見受けられますけれども…)。

公開や解説記事は別として、蔵書の未整理や不明本の状況を知るには、撮影という方法は案外役立つかもしれない、と思わされました。

本棚は汚い、写真は下手、本来かなりの分量のはずの床等に積み上げられた本は取り上げられず仕舞い、という中途半端な記事ですが、その内積み上げられた本の分析も含めた第二弾なり増補改訂記事なりを、もしも奇特な方がいらっしゃれば考えますけれども、取り敢えずはここまでということで。