発掘した積読本を撮影してみる

前回の「本棚を撮影してみる」、まさかまとめ記事に入るとは思いませんでしたし、本棚記事を呼び掛けられたid:Mukke氏等からもブックマークでコメントを頂戴しました。

他の方の本棚記事と比べるならば、id:katagiriSo氏の率直なコメント「本の向きがおかしい。。」という点が最大の特色であったようです。単にいい加減な取扱いが反映されているだけという感もありますけれども。

今回は、床に積まれていた積読本の方を撮影してみました。
発端となったMukke氏の記事(http://d.hatena.ne.jp/Mukke/20141120/1416471369)以来、他の方の記事が体系的な本棚を中心としていたことから、まあ混沌とした無秩序ぶりを記録することにも多少の意義はあるのではないか、と感じたことと、この際本自体の整理と未読本の再認識には、むしろ積読本を取り挙げた方が自身にとっては有益だろうと思ったことが理由です。


ほぼ整理されておらず、未読のままの積読本だらけで、小説が少ないという点が特色かと思いますし、「あれ、この本持っていたっけ」「この本は読めていなかったけれど今度読んでみよう」と感じたものを中心に並べ直して撮影したので、比較的読み応えのある本イコールなかなか読めていない本も多くなっています。

なかなか同じ著者の本でも、1か所にまとめられていないという…。エクスプレスは2冊とももう改訂されてしまっているのでしょうか。しかし中東欧の言語で唯一所持しているのがチェコ語でもハンガリー語でもないというのは奇縁です。

右半分に、古本屋で見つけて買ったきり、申し訳ないことに
存在を忘れかけていた本がちらほら。中国史のハードカヴァーはこの1冊を含めて数える程しかないはずなのですけれど。


「歴史のフロンティア」シリーズは、少なくとも山本秀行『ナチズムの記憶』青木康『議員が選挙区を選ぶ』喜安朗『反乱のフォーブール』もあったはずなのだけれど…。ここにある未読の石井規衛『文明としてのソ連』の他にも、確か土肥恒之のものもあったような…。大杉栄も選集を持っているのを忘れて文庫版を探してしまっていた。

今回最大の誤算にしてすっかり忘れていた失敗として、両端の柴田三千雄を全く同じ版で2冊持っていたということが挙げられる。せめて片方が岩波モダンクラシックスならば…。吉沢南『個と共同性』は敢えて2冊買った覚えがあるけれど、こちらは全く覚えていなかった(今後一生の間に丸2回も完読出来るのだろうか)。

玉川重機『草子ブックガイド』は文字通り主人公の女子学生がブックガイドを作り、ブックトークをするという漫画。しかし司書教諭の説明までされているとは、現代日本の漫画はどんな職業でも取り上げてしまうのだなあと。右端の漫画史2冊も偶々お手頃な条件で…いやまず先に米沢嘉博『戦後少女マンガ史』『戦後SFマンガ史』を読まなければとは…。藤原彰『飢死にした英霊たち』はどうして岩波現代文庫辺りに入らないのかなあ、と思っていたり。
『世界の歴史』も中公文庫化が終わったので、今後は文庫版に置き替えようか、でもカラーだし図版もあるし…と少し考え中です。

守り人シリーズ新潮文庫でも数冊持っているのですが、せっかくなので二木真希子の挿絵付の版の方も見つけたら入手していたり。
山川出版社の県民百年シリーズは、近現代史に関しては同じ山川の県史シリーズ以上各都道府県の自治体史未満という水準で、少し古いのですがなかなか手ごろなシリーズです。
千野栄一プラハの古本屋』のことをすっかり忘れていたのも、悔しいところ。

「新しい世界史シリーズ」、ここにはないですけれど吉見義明『草の根のファシズム』も同シリーズの1冊で、面白かったです。

まさかMukke氏が既に読んでおられたとは思わなかったやまむらはじめ『天にひびき』。7巻はあるのに6巻が見当たらないのには困っている。クラシック音楽関連の漫画としては好きな作品の1つ。

いしいひさいちのバイトくんブックスも積むとよく崩れている大きさ。石母田正平家物語』はこんなところにあったのかと久しぶりに発見。『チボー家の人びと』は今年の夏に読み返せなかったので、もう読み返す機会は持てないかもしれない。前半の巻は結構出回っている印象だけれど、後半の巻はさすがに余り見かけない。


これ程インターネット上で日本海軍話にこと欠かなくなって、何故澤地久枝ミッドウェー海戦物が読み返されないのか、とは何度か愚痴ってきた通り。文春文庫で再販する気がないのならば、これも岩波現代文庫辺りで出せばいいのに(渡辺清戦艦武蔵の最期』辺りも一緒に)。

以下ピントがずれている写真が続きます。


『ザ・コクピット』がばらばらなのは入手時期がずれていたのもありますけれども、まとめて読んだことが案外ないのも一因だろうと思います。


増田四郎もまとめた方が良いかも…。アニリール・セルカン『ポケットの中の宇宙』は、経歴詐称等で博士号剥奪となる前に出版された本で、問題の宇宙飛行士候補だったと称する写真もしっかり掲載されています。旧石器遺跡捏造事件発覚直前に出た『日本の歴史01 縄文の生活誌』初版と共に、ある意味ではレアな本です。

岩波新書は新赤版よりも黄版辺りの方が渋い気がします。余り読めていないのは残念。

トーマの心臓』を、これも未読のまますっかり忘れていたという…。



個人的には余りにも整理されていない本が多いことに我ながら少しうんざりしましたけれども、本棚をそのまま撮影した時よりも、忘れていた本を思い出したり、発掘した本を読みたくなったりと、記事を作ること自体は楽しかったです。未整理の積読本が多い人程、所蔵している本を改めて意識するという点で効果もなかなか大きい試みではないか、とも感じています。