読んだ本 齋藤純一『公共性』

  • 齋藤純一『公共性』(岩波書店、2000年) 120p 311.13

 思考のフロンティアシリーズ第1期の一冊。ハンナ・アレント*1、ユルゲン・ハーバマスからカントまで公共性を巡る思想を辿り、随所に現代社会の問題への関心と思考を反映させつつ、公共性ってなあにという問いにしっかりと対応している概説書。しっかりとした文献案内が付いているのも良い。

 社会国家・福祉国家の歴史について考える立場から読んでも面白かったけれども、コミュニケーションやコミュニティについて考える上でも参考になるように幅広い層の関心に対応することの出来る一冊。高校現代文、或いは小論文に関心のある人にも参考になりそうな様式。

 

*1:私はアーレントと書く方が何となく馴染みがあるけれど