読んだ本

 メジャーリーグ入りした2001年頃からの『Number』誌に掲載されたイチローのインタビューを纏めた物。過去についてではなく現在について探る聞き取り取材の難しさが読んでいる側にも伝わってくる。著者が文脈や背景となっている事実を整理してくれているのは良いのだけれど、一つくらいは「禅問答」の如きやり取りをそのまま活字に移した物の方を読んでみたい気もする。
 イチロー自身、特にその打撃について中心的に語っている(当たり前か?)。しかし書籍にせよテレビにせよ一般論や評論を排して自分の経験と専門についてのみ語っているインタビューは案外少ないように感じているので、イチローへの注目度の高さが反映されているということは言えそうだ。