読んでいる本

 『毎日中学生新聞』の連載が基だけあって読み易いが、「常識」その物から問い直そうとしている。これと同じようなスタイルでシリーズ化してみても良いような気がする。

 通史としては学説や研究成果の変遷に重点を置いている。考古学の研究方法や時代区分論に興味の在る人向けだと思う。

  • 鈴木亮『ファミリー版世界と日本の歴史1 原始 文明の誕生』(大月書店、1987年)

 数千年前に遡る前に、現代の世界各地の生活に目を向ける。『マスターキートン』ではないけれど、「四大文明」云々の話は(さも当然であるかのように)無視して話が進んでいく。

冷戦は勿論のことさらりとスペイン内戦の話が出てくる辺り、考古学というよりも現代史が反映されているような気も(舞台は現代なので当たり前か)。ただ3巻までではヨーロッパの話が多く、ヨーロッパの中でも西欧・南欧の話が多くて、北欧・中欧・東欧やロシアの話は意外に少ない印象。

 
 「語られざる事件」に興味の在る人は一読しても良いと思う。