書房日記別館 反応に困った話

以前、「はてなブックマーク」上でコメントを受けた際に、スペースの問題もあって十分返信していなかったことにつき、少し記しておきます。本来ならばブックマーク上で表明すべきことなのかもしれませんけれど、ちょっとあのスペースでは書きにくいので、こちらに記すこととします。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.47news.jp/CN/201410/CN2014101901001606.html

まあ安倍首相が「法の支配」の強化を訴えるっていうのは、慰安婦問題への対応やら特定秘密保護法などの政策と矛盾してはいませんか?という程度の、余り芸のないコメントを記したにすぎない訳ですが、あのid:m-matsuoka氏より思わぬコールを受けた訳です。

「d:shigak19←日韓基本条約という法を守っていない韓国政府に言え。法の支配をねじまげているのは、お前のようなキムチ頭だよ」

まああちらもこの短いスペースでは言いたいことも言えなかった嫌いがないとは言えませんので、より詳しいご説明を得られるのならばそれにこしたことはないですけれど、このような辺鄙なダイアリーにまでそれを求めるのはさすがに課題要求でしょうから、こちらで出来るだけ善意に解釈しながら、つらつら感じたことを記しておくとしましょうか。

どうしてここで韓国政府の話が出るのかがまず謎と言えば謎です。慰安婦問題への対応を持ち出したので反射的に韓国政府の話が出たということのようです。そこでオランダ政府等のことには言及しない辺りが、いかにも慰安婦問題を朝鮮半島の問題に矮小化しようという意図がうかがえる、などと意地悪く反論することも出来そうですけれど。

慰安婦問題にどのように対応するかというのは、外交上の側面と同時に一方では日本政府にとってその基本的人権と法的問題に関する姿勢を問う、つまり日本における「法の支配」を問う上でそう間違った事例でもないとは思うのですけれど。

条約を法と同一視するというのも、私にはなかなかない発想でした。なるほどたしかに、大日本帝国はおよそ国内において「法の支配」を実現したとはいえない上に、1941年の12月にオランダには開戦通告すらしないという「法を守らない」行為をしていた訳ですけれど。

「お前のようなキムチ頭」という部分はさっぱり分かりませんね。私の頭の中にはキムチが入っているという実に恐るべき主張をされたいのかもしれませんが。でも、私の頭の中にキムチが入っていたとしても(IPS細胞もびっくりの新細胞かもしれませんねえ)、頭の中にキムチが入っている人間がなぜ法の支配をねじまげることと関係があるのか、やはり何度読んでも意味不明であります。

結局安倍首相は「法の支配」をふみにじっていない、という主張にしてもその根拠はないし、こちらがむしろ「法の支配」をふみにじっているという主張も良く分からないという、なんとも良く分からないコールを受けて反応に困っている、というだけのお話です。