読んだ本 読んでいる本 8月 その2

 最近は論文や資料などを読まざるを得ないことが多く、余り一冊の本を読み切ることができずにいるので漫画ばかりになっていますが…まあ「読書力」自体は昔からそれ程高くないのでこんなものでしょうか。
 それから今まで特に書いていませんでしたけれども、内容についても触れながら感想を書くことが時折ありますので、予備知識を付けたくない方はご自身でご配慮下さい。



 予想以上に話の本筋をテンポ良く進んでいる印象。2巻に「閑話休題」と銘打った話がわざわざあるぐらい。生物が登場してくる辺りは『新世紀エヴァンゲリオン』とどうしても重なって感じられてしまう。言うまでもなくこちらの方が制作は早いのだけれど。



 タイトル通り90年代の東京を舞台にした作品。怪奇小説めいた内容を想像してしまいがちだけれど、怨霊を主題として現実的な事件をしっかりと描いている印象。
 上述パトレイバー内海課長、この作品の星史郎と続いたので、何時もニコニコしている眼鏡の男性キャラクターこそが実は恐ろしい黒幕なのだという類型論を抱きそうになっている。星史郎が内海課長程の悪役なのかはまだ分からないけれど。



 バカボンのママが時々目を見開いていてその時には白眼があったり、解説でも取り上げられていたように交番勤務の警官が例の銃を振り回す人とは別人だったりといったちょっとした違いが気になってしまう。バカボン達が周りを振り回すのに加えて周りから騙されるという話も意外に多かった。



 「純パの会」代表による、「純パの会」の紹介とパ・リーグについての熱狂・感動、そしてプロ野球の構造、特にセ・リーグ中心主義と「読売中心」主義への憤慨・批判などなど。
 2000年代の10年間は、パ・リーグがその地位を引き上げた時代だったように思う。そのため、現時点で読むとそこまでパリーグの地位や扱いが不当だとも思えないなあ…というのが率直な感想。パ・リーグ、特に過去のパ・リーグに少しでも思い入れのある人は一読しても良いと思う。西鉄ライオンズの栄光やパリーグとそのファンの味わった「苦難の歴史」についてなど、まさにこれはパ・リーグファンのために書かれているのだから(ただ、過去に対する或る程度の関心がないとおそらく余り面白くないであろう側面もあるのだけれど)。
 セ・リーグパ・リーグという枠組み自体に興味の無い人には、思い入れや悲哀が強すぎてちょっとお薦め出来ないくらい。個人的には、かつて西鉄ライオンズに入れ込んだ後自ら草野球でプレーすることにこだわった平出隆の書いた『白球礼讃 ベールボールを永遠に』(岩波新書新赤版、1989年)の方が、過去への追憶ということもあってかつての西鉄をより静かに温かく描いていた印象がある。
 ただ平出の話と単純に比較できないのは、本書はあくまでもパ・リーグという枠組みそれ自体にこだわっているからで、そもそもの目的と発想の違いと言ってしまえばそれまでかもしれない。ちなみに本書の著者は阪急ブレーブスのファン。

(追記)
 書名では「パリーグ」ではなく「パ・リーグ」でしたので訂正します。すみませんでした。
 そこで表記の統一のため文中でもパ・リーグとしました。確かにパリーグだと何となく違和感はあるけれどそもそもどうして「・」なのだろう。






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